リアルな医療現場から現状をお伝えします(2)「全数把握廃止 その恐ろしいからくり」
前回(第1回)に続き、最前線でコロナ患者さんの診療をし続けている 岩手の医療現場からお伝えします。
2022年9月22日(木)放送分、23日(金)再放送分
エフエムたいはく「新型コロナ みなさんこれ知ってますか」書き起こし
聞き手(MC=野田紀子氏、以下M) 皆さんおはようございます。「新型コロナ みなさんこれ知ってますか」の時間になりました。今日お話しいただくのも 前回と同じく 高橋秀一郎先生と(高橋)恵理花さんになります。それでは先生 宜しくお願いいたします。
高橋医師(以下T) 宜しくお願いします。前回のお話で 今(新型)コロナの患者さんが全国で何人で このくらい増えてます、減ってますという報道が毎日あって それに(国民が)右往左往している状況がある、そういうメディアの報道の仕方が問題じゃないか、ということで終わったと思うんですけど 今回 9月1日から (新型コロナ感染者数の)全数把握を止める方向ですということで 国は動いています。宮城県は全数把握がすでに中止になっているかと思うんですが 岩手県では 基本的にはまだ全数把握をしている状況で 9月の中旬位から国の方針で 全国的に全数把握を止めて、高齢者とか 基礎疾患のある患者さんのみを報告する方向になっている現状です。
高橋看護師(以下K) 全数把握の見直しという話題で 私もですけど イメージ的には「(新型)コロナのルールが少し緩くなったのかな」って 印象を持たれる方いると思うんですけれども 全数把握の見直しというのは 65歳以上とか、妊婦さん、あと重症化リスクのある方のHER-SYS(ハーシス)への入力は続けて、それ以外の方の入力項目が 今まで40項目あったんですけれども 7項目に省略していい、というだけで。
M はい。今ハーシスとおっしゃったんですけど (パソコンの)ソフトの名前でしたっけ?
T (全数把握のための)システムの名前で、(例えば)うち(のクリニック)で(新型)コロナの陽性の患者さんが出ますと、全例を(そのハーシスに)名前とか住所とか (入力するんですが)、症状、咳があるとか サーチュレーション(SpO2 動脈血酸素飽和度)がいくらだとか 一つ一つ項目を入力して (そのデータを)保健所に登録すると 自動的にメールが患者さんに送られてくるというシステムで、今までは(新型コロナ陽性者)全例について この患者さんは熱がありますとか咳がありますとかというのを入れていたんですが その入力項目が 基本的には若い人に関しては (入力するのは)年齢とか住所 電話番号ぐらいまでで あとはいつから発症ですというのを入れてくださいというのだけでOK というふうに簡略された ということなんです。
M はい。
K なんか一見、ルールが緩くなって (感染者が)保健所から追われることもないのかな なんて思われる方もいると思うんですけれども (今までの入力項目の中で)一番省いてはいけない項目が (今回)省かれてしまったんです。
M そうなんですか?
K はい。それは何だと思いますか(笑)
M (笑)一番省いてはいけない項目とは、なんですかね。
K (新型コロナ)ワクチンの接種回数の項目を省いても 登録が完了するんです。
M そうですか。何回(新型コロナワクチンを)打ったかということは(記録上)分からなくなるということですね。
K そうですね。(新型)コロナの患者さんの数は把握し続けるけれども (新型コロナ)ワクチンの接種回数(の把握)はもういらないよというふうになってしまって。私達今まで約3年の間 どんなことがあっても (新型)コロナ陽性の患者さんも 一般外来にいらした患者さんも 具合悪い方には必ず (新型)コロナのワクチンの接種回数はお聞きするようにしていて、それを逐一(保健所に)報告してまいりました。私達が現場で感じていることは、(新型コロナ)ワクチンを打った方が (新型)コロナにかかって来院される、(これは)凄く問題な事だと思って (その)数をしっかり把握せねばと思って どんなに大変でも 「(新型コロナワクチンを)いつ打ちましたか」「何回打ちましたか」(と聞き取りをして)それを保健所に報告するのをずっと続けてきました。ハーシスで報告する以前は お電話で直接保健所の方に、保健所の方とお話をしながら こういう患者さんが発生しましたというふうに報告しました。その時に「やっぱり(新型コロナ)ワクチンを打っている人が(新型コロナに)罹ってきてますよ」とお話しすることが出来たんですけど、それがハーシスというシステムになって (項目を)クリックするだけ(になったんです)。
M ああ (アナログではなく)デジタルですね 結局。
K はい。でもそれでも、現場では「やっぱり(新型コロナワクチンを)打っている人が罹っている。ワクチンって効果あるのかどうか、効いていないんじゃないか」ということを言うために ずっと(保健所に)報告を続けていました。
M ええ。
K でも今回、全数把握の見直しというふうになってしまって、ふと気づいたら (新型コロナワクチンの)接種回数の報告が削除されている。ちょっとこれはおかしいんじゃないかと 県の方に問合わせをしたら、「(新型コロナワクチンの)接種回数の報告を削除することによって (新型コロナ)ワクチンの有効性、基礎疾患等の情報の把握ができなくなる(データが取れなくなる)ことは とても懸念していることなのだが 医療機関への負担を軽減するために(入力)項目を減らしたので ご理解を頂きたい」とのお返事を頂きました。(苦笑)
M なんかね・・ 医療機関のためにやっていますよという感じですね それは。
T でも、私ハーシス入れているんですけれども 実際大変なのは 今難しいお名前が多いですから 名前の(漢字の)変換と 住所の入力に時間がかかるだけで あとはそれ以降は(項目ごとに)クリックするだけなので そのクリックする項目が減ったからといって すごく楽になったということも全く無くて、現場の手間はあまり変わらないですよね。
M そうですか。私はね勝手に、患者さんの状況とか症状を(一つ一つ)割と細かく入力されるんだと思ってたんですけど、そうではないんですね。
K はい、(項目ごとに)ワンクリックで(すみます)。
T 「咳がある」とか「頭が痛い」とか それが有るか無いかを クリックしていく感じですね。
M あー そういう感じなんですね。
K 私達は対面で、実際に患者さんに触れながら 会話しながら診療しているので、(新型コロナワクチンの)接種回数の確認なんか ものの数秒で終わりますし、入力する項目については 普通に診察して 診ている事なので クリックで選んでいくことなんて全然苦でもなんでもないんです。
M そうですよね(笑)
T (新型コロナは)指定感染症なので 感染(陽性)になると 保健所の管轄になるので 保健所がこの患者さんは具合悪い人なのかどうなのかというのを ハーシスを見て把握するんだと理解していたので 真面目に 「この患者さんは 酸素化(注釈)はこうです」とか「このぐらい具合悪そうです」とか 必要な時には 「その他」という項目で 「この患者さんは独居(一人暮らし)なので 出来れば入院が望ましいです」とか入力して伝えるようにしていたんですよね。
(注釈:酸素化=血中酸素飽和度=サチュレーション=SpO2のこと、パルスオキシメーターで計測。正常値は96から99% 90から95% で酸素投与、90%切る時は挿管を視野に入れて急がなければなりません。保健所は95%下回らないと入院させません。高齢者は若い人に比べると低めなので、(呼吸苦がなければ)96〜95%なら様子見。40代から60代でその数字なら入院も考慮になります。HER-SYSの「その他」からそれを伝えるのですが、保健所はあくまでも値で判断するので、現場の声がなかなか伝わりません。2022.9.28補足)
M そうですか。
K そのハーシスに入力するのは 何度も言うように手間でもなんでもない。たとえ手間だったとしても 入力した内容が患者さんにとってとても重要な事であれば 我々はどんな大変な事でも続けることはできますし。
M はい。
K 今までハーシスに「(新型コロナワクチンを)打っている人が(新型コロナに)罹っている」と報告を続けることで 厚生労働省の方でも「(新型コロナ)ワクチンを打っている人の方が罹患している」という(統計)結果も出しているので。
M はい。
T ここに持ってきたのが 8月24日の厚生労働省の アドバイザリーボードというものの「(新型コロナ)ワクチン接種歴別の(新型コロナ)陽性者数」(p.2参照)なんですけれども、厚生労働省のデータですと 50歳以上においては(新型コロナワクチン)2回目接種済みの人の方が 未接種の人より(多く)感染しているというデータが実際出ています(注釈:正しくは、「50-59歳、80-89歳以外の年齢層では 未接種者のほうが10万人あたりの陽性者数が少ないと出ています」。しかしながら、2回目接種と3回目接種を合わせた「接種者」と比較すると、未接種のほうが 80-89歳を除く全年齢で 陽性者になりにくいことが分かります)。
あと今回この収録に当たって 数は少ないんですけれども 私のクリニックの(新型コロナ)陽性者242人のうちの内訳をみたんですが、(新型コロナ)ワクチン3回目打っている患者さんが40%と 一番感染率が高くて、次が2回目(接種済みの方)、37%でした。全国レベルよりも3回目(接種済み)の人の感染率が高いっていうことは すなわち、岩手は今(新型コロナワクチンは)全国4位の接種率で 打っている人が多いので それだけ感染率が高いのかな(と思います)。現場の感覚としては (新型コロナ)ワクチンを接種していても罹る、むしろ接種している人の方が罹りやすい、そのことを調べるために 我々はハーシスに入力して(厚生労働省に報告し、厚生労働省は)このデータをもとに 次の(感染症対策の)施策を決めるというふうに理解していたんです。けれども この結果(すなわち、新型コロナ)ワクチンを接種している人が余計(新型コロナに)罹っている、かつ副作用があるワクチンだと、そういったことを理解しながらも 指定感染症を外さずに (新型コロナ)ワクチンの接種をこれまで通り勧め続けるというのは 国は全くこの集めたデータを生かしていない、このことにすごく憤りを感じます。
M なるほどね・・・。だってもう数字で出ているということですよね・・・。よくエビデンス、エビデンスってね 言ってきて (新型コロナワクチンの有害性の)証拠は逆にはっきりしてきている状況なのに。それは(そういう事実は)それこそマスコミからはね 伝わってこないですよね。
K 現場から とにかく(この事実を)伝えなきゃということで、ずっと診療時間外に入力はやるんですけれども でも(新型コロナワクチンが有害であるという)結果が出せるのであればということでずっと続けてきましたし 実際もう結果も出ているにもかかわらず 国は(新型コロナ)ワクチンの接種を止めない、どころか、1日100万回接種を今強調して目標にしているというのが 本当に もう(医療)現場にいるものとしては許せない、現場の声を全く聞かないというこの姿勢を どうにかしてほしいです。
M これはね・・・。むしろひとりひとりがそれを分かって理解して (新型コロナワクチンを)打たないことを決断するのが早いと思うんですけれども。でも こういう事実をもっと知らせる方法があったほうがいいなと、エフエムたいはくだけじゃなくてね(笑)思いますが。このデータは厚生労働省のホームページから見られるんですね?
T そうです。
K アドバイザリーボードは閲覧できるようになっていますので。
T もともと 1回目、2回目の(新型コロナ)ワクチンを 国民の8割が打てば 集団免疫ができて 欧米と同じようにマスクも外せて 普通の生活に戻れますって触れ込みで 「皆さん是非打ってください」って国が始めたんですよね。
M はい。
T 皆さん2回目打てば もう(接種は)終わりなんだと思っていたのが あれ?3回目?4回目? で今度はオミクロン? はじめは 元の世界に戻すため、(新型)コロナを終わらせるためにみんなで打ちましょう、だったのが、途中からもう 感染も防げないってわかって 打てば打つほど 陽性者数も各波ごとに全国的に多くなって 死者数も減っていない・・・。(新型コロナワクチン)・・・効いてないですよね。国は 今やもう(新型コロナ)ワクチンを打たせることが目標になっているような、なんのためにじゃなくて ワクチンを打たせることが目標、もう問題がすり替わりすぎて。
M そうですね。
T 今回の全数把握の見直しも 今までは(新型コロナ)ワクチンを打って、(かつ)何回(新型コロナに)罹っていますというデータが 一応ハーシスによってかろうじて出ていたと思うんですけど、今回もう(新型コロナ)ワクチンを打ったかどうかもデータを取らないとなると これから打つ オミクロン株対応ワクチンが どれだけ効いたのか効かなかったのかというのも 全国的に検証できなくなるということなんです。
M ほんとそうですよね。
K 患者さんを診る 検査をする中で(新型コロナの)感染リスクは我々も伴うんですが それでも患者さんの診療を続けるのは やはりデータを出すためという目的も勿論あるので、接種回数に関しては特に重きを置いてちゃんと問診をして ずっと報告し続けてきたものが無視をされ、(有害であるという)結果ももう出ているにもかかわらず (新型コロナ)ワクチンを推進する、子どもにも、妊婦さんにも。ましてやもう「毎年(新型コロナ)ワクチンを打たなければいけない可能性」というふうに 今ニュースでも流れているので、とんでもないことだなと。医療機関の負担を減らすために 全数把握の見直しをするという名目になってますけれども、全数把握をしている限りは 全くもって医療機関の負担軽減にはなりませんし、それどころか(新型コロナ)ワクチンの有効性について(また有害性について)(実態が)隠蔽されてしまうのではないかと そこだけを危惧しています。
M そうですね・・・。一番肝心なところを報告しなくてもいいってなってしまってるんですね。
K そこを削ったということが(すなわち 新型コロナ)ワクチンの有効性も(有害性も)何も 知りませんよと 関係ありませんよと。データ出ているけどもう報告ないから 知りません、でも(新型コロナ)ワクチンは打ってください、っていう状況に今なっていること、本当に恐ろしいことだと思っています。
M (全数把握の見直しは)もうすでになってるんですね?
T 9月1日から 宮城県とかはもう全数把握はやめてますし 9月の中旬からはもう全国的にやめるので たぶん今後こういった 全国的に何割の人が打って(かつ)罹ってますというデータはもう上げられなくなると思うんですよね。
M そうですね。今全数把握をもうやめている所もあるということは 結局は全体の(感染者の)数もちゃんとしたものは出てこない ということになるんですか?
T そうですね。物理的に言えば 定点観測といって ある特定の病院で(感染者数の)把握をして (その人たちが)(新型コロナ)ワクチンを打ったかどうかをちゃんと調べれば 全国の小さなクリニックが全部やらなくてもいいというのは 理屈的には正しいと思います。
M はい。
T ただ 定点観測にしても (陽性者数の中で)(新型コロナ)ワクチンを打ったかどうかを把握する必要はやはり絶対あると思います。
M そうですね・・・。どちらにしても 「(新型コロナ)ワクチンは有効だから打ってください」というのが国の言っていることで、必死になって皆さんに言ってきたわけですよね。でも 結局は今 (有効性を否定する)変な数字がでていて・・・。
K 国としては宜しくない結果がもう出てしまっているので。
M だから一番肝心な 人間でいえば頭とか心臓とか(データを取るのに大事なところ)そういうところを抜きにして報告させるという形にもうしている・・・。それって アドバイザリーボードの(編集している)方とか 当事者の方は本当はわかっていらっしゃるでしょう??
K この数字を見て(新型コロナワクチンを推奨するのは)おかしいと思う方は 実際にいらっしゃるはずなんですよね。
M 単純にこの数字を見れば ど素人の私でもわかりますよ(笑)。それなのに専門家会議の方たちって・・・。専門家って言えるんですかね。
K(苦笑)
M (本当に専門家なのだろうかって)疑ってしまいますね。
T そうですね。これだけ効いていないというのが数字で出ていながら それでも「接種を推奨する」、5歳~11歳までは(推奨が)もっと強くなって「努力義務」。何をもって(何を根拠に)努力義務にするとか推奨するのか。我々が手間暇かけて出したデータをちゃんと分析して有効に使っていないと思います。専門的な分析はしていないでしょうね、普通に考えれば。
M 怠慢そのものですね。
K データを全く無視するというのは 専門家と言っていいのかどうか。
T (新型コロナ)ワクチン接種ありきですものね、もう結論が見えていて。
M (高橋)先生にこうやって見せていただいたのは厚生労働省のホームページに出ている資料のデータですから (専門家の方たちが)知らないなんて事はあり得ないことですよね。
K そうですね。厚生労働省に出されたこの数字を見て (医療)現場にいる我々が感じていることは間違いじゃなかったと。この2年、3年報告し続けてよかった、と思っている所で (新型コロナ)ワクチン接種の回数の報告はしなくてよいと、突然切られた感じで。全数把握の見直し=医療機関の負担軽減と 表では言っていますけど 全くもって軽減していないどころか 私達の報告する意味を奪われたのかなと。
M ほんとですね。
K どの世界の皆さんも一生懸命やっていらっしゃると思いますけど 我々も人の命を助けようと、(新型コロナ)ワクチンってどうなんだろうって 日々考えながら現場で一生懸命やっているものの意見を無視した としか思えない。本当に有効性のあるものなら やっぱり数値として出して発表したら (新型コロナ)ワクチン接種者は増えると思うんですよ。でもここで、接種回数項目を削除したということは、やはり有効性を認めていない、これ以上データが出るとまずい だから消そう(と意図した)、としか思えないです。
M 本当に 皆さん 厚生労働省の出しているデータの中でさえ こういう事実がありますので、よくご自分の行動を考えて頂きたいと思います。ご自分の命をご自分で守っていくということが大事ですね。
T そうですね。
M 本当に、今日もありがとうございました。
T、K ありがとうございました。
(次回は コロナワクチン4回目接種後、どのような症状の患者さんが来院しているのか語ります。現場からの生の声です。まだの方は9月28日(水)再放送でぜひお聴きください!)
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